「ノマドワーク」という働き方に、「自由な場所で働ける」イメージを持つ人も多いでしょう。
この記事では、時間と場所にとらわれない「ノマドワーク」の働き方について深堀りしつつ、
- ノマドワークの仕事の種類
- ノマドワーカーが働ける場所
- ノマドワークのメリットやデメリット
などを具体的に解説していきます。
ノマド的な働き方を模索している人は、ぜひ読んでみてください♪
ノマドワークとはどんな働き方?

「ノマド」は「遊牧民」という意味の言葉で、そこから転じて「場所を移動しながら働く」という意味で使われるようになりました。
会社員やフリーランスとは、以下のような違いがあります。
- 会社員:会社に所属し特定の場所で働く
- フリーランス:会社や組織に属さず働く
- ノマドワーク:「働く場所」を選んで働く
上記のように、ノマドワークは出社義務がなく、働く場所を自由に選べる働き方です。
完全に自由ではないため、「会社員兼ノマドワーカー」も存在します。
たとえば「リモートワークOK」の会社に就職した場合、会社と雇用契約を結ぶので、就業時間や仕事内容に自由はないですが、働く場所は自分で選べます。
一方、ノマドワークと働き方が似ているフリーランスは、取引先と雇用契約を結んでいないため、働く場所・働く時間・仕事の量・ジャンルも自由(自己責任)になります。
とはいえ、会社に常駐して働くフリーランスもいるため、「ノマドワーカー=フリーランス」とは言い切れないのです。
ノマドワークに適した仕事11選

ノマドワークに適した仕事には、大きく分けて
- オンラインで完結する仕事
- 1ヶ所に留まっていてはできない仕事
という2つのパターンがあります。
これから仕事を具体的に挙げていきますので、現在の仕事や興味を持っている仕事が入っているか、確認してみてください。
ブロガー・アフィリエイター
ブロガーやアフィリエイターは、ライフスタイルやお役立ち情報などをSNSで発信して読者を集め、広告収入や商品の紹介料などを報酬として受け取っています。
基本的にブログ・Twitter・Instagramなどでの情報発信がメインの作業なので、オンライン完結型の仕事と言えるでしょう。
Webライター

Webライターは、企業などから依頼を受け、Webサイトに掲載する記事を執筆する仕事です。
テーマについて調べたことや、自分の経験などを書く場合はオンライン完結型です。
一方で、企業や人を取材した内容を記事にまとめる場合は、移動がセットになることが多いですね。
カメラマン
カメラマンは、クライアントの希望する写真や動画を撮影するのが仕事なので、移動するのが前提と言えるでしょう。
人によっては、1日の中で県をまたいで移動することもあります。
営業

会社の営業マンは取引先などを訪問し、自社の商品やサービスをプレゼンして売り込むのが仕事ですから、会社に留まっていることはほぼないでしょう。
また最近は、ZoomやSkypeを利用したオンライン営業も増えていて、場所を選ばず仕事できるようになってきています。
翻訳者
翻訳者の仕事は、英語など外国語で書かれた原稿を日本語に訳す、もしくは日本語の文章を外国語に訳すというものです。
翻訳する原稿の種類はさまざまですが、基本的には語学の知識と辞書があればできるので、オンライン完結型に分類できますね。
IT関係の技術者

「IT関係の技術者」とざっくり分類しましたが、具体的には
- システムエンジニア
- プログラマー
- Webデザイナー
などがそれにあたります。
もともとオンラインに強い業界で環境も整っていることから、ノマドワークに対応しやすい仕事と言えるでしょう。
コンサルタント・講師
コンサルタントや講師は、自分の知識や経験をもとに、誰かにアドバイスしたり講義をしたりする仕事です。
コンサルタントはクライアントの希望する場所に出向くことが求められますし、講師は生徒のいる教室へ行く必要があります。
とはいえ、最近ではコンサルや講義をオンラインで行うことも増えており、より場所の自由度が高まっているようです。
経営者・管理者

会社の経営者や部門の管理者は、経営状況や作業の進捗状況のデータをもとに、問題点・改善点を洗い出し、現場へ指示を出すのがおもな仕事です。
現場の意見の聞き取りなど、会社でしかできない仕事もあるでしょうが、たいていの指示はオンラインで完結させられるので、会社にいなくても問題ありません。
YouTuber
今や子供たちの憧れの職業となったYouTuberも、ノマドワークに適した仕事と言えるでしょう。
YouTubeで発信する内容は十人十色ですが、基本的には企画にあわせて移動したり、自宅やカフェなどお気に入りの場所で撮影したりする人が多いですね。
動画編集者

前項で紹介したYouTuberの台頭とともに、最近は動画編集の仕事も注目を集めるようになりました。
動画編集は時間と手間がかかるので、コンスタントに動画をアップロードしたいYouTuberの中には、「動画編集を他に任せて撮影に集中したい!」と考える人もいるのです。
もちろん、動画編集はスペックの良いパソコンと編集ソフトがあればできるので、オンライン完結型と言えます。
投資家・トレーダー
これまで紹介してきた仕事と少々毛色が異なりますが、投資家やトレーダーは、ある程度の資産を持った人におすすめのノマドワークです。
ものすごーくざっくり言えば、投資やトレードで儲けるには
- 将来性やリターンに期待できる企業へ出資する
- 安い時に買って高い時に売る
ということにつきます。
上記はインターネットで企業の動向や市場相場を調査すればできるので、オンライン完結型と言えるでしょう。
ノマドワーカーのおもな仕事場

「働く場所が自由」であるのがノマドワークの特徴ですが、現実問題として、どんな場所でも仕事ができるわけではありません。
ここでは、ノマドワーカーが実際に仕事をするのに適した場所を具体的に挙げていきます。
コワーキングスペース
コワーキングスペースは、「仕事をするための場所」なので、単に座席が用意されているだけでなく
- 個室や会議室
- 電源(コンセント)
- ネット環境(Wi-Fi)
- 複合機
- ドリンクコーナー
- ホワイトボード
など、仕事で役立つ設備が幅広く揃っており、トップクラスで働きやすい場所と言えるでしょう。
ただし、月額制やドロップイン(一日利用)制などの形態があり、利用料もそれなりにかかります。
カフェ

カフェはノマドワーカーが仕事をする場所として、真っ先に思い浮かぶところではないでしょうか。
- 落ち着いた雰囲気
- オシャレな音楽
- 適度な雑音
などが、カフェで集中して作業できる要因とされています。
とはいえ、カフェは電源やネット環境が十分に整っているとは言い難いですし、他の利用客のことを考えると長居はおすすめできません。
コワーキングスペースのようにガッツリ作業するというよりは、30分~数時間ほどの短い時間でサクッと作業するのに使うと良いでしょう。
インターネットカフェ
近年は、ネット環境や電源が整ったインターネットカフェの数が増えています。
たいていのネットカフェでは、時間パック制で半個室のブースや完全個室を使えるので、集中して作業できる環境であるのは間違いありません。
飲食のサービスが充実している店舗も多いので、長時間でも滞在しやすいと言えます。
ただし、漫画や雑誌が置かれていたり、動画配信サービスが充実していたりと誘惑も多い場所なので、そちらに時間を持っていかれないよう注意が必要です。
ファミレス・居酒屋

先に紹介した3つよりは使い勝手の面で落ちますが、ファミレスや居酒屋も、意外とノマドワークに適した場所です。
1人でも罪悪感なく使える小さなテーブルは確実にありますし、店によっては1人席(ボックス席)もあります。
ネット環境や電源は十分とはいえないですが、飲み物や食べ物の注文を適度にしていれば、ある程度長居もできるでしょう。
ただ、食事やお茶をする人が多くなる時に、仕事で長居するのはかなり迷惑がかかるので、時間帯は選んで利用するようにしてください。
公園
これまた意外かもしれませんが、公園もノマドワークに使える場所と言えます。
公園にはベンチがつきものですし、場所によってはテーブルが置いてあるところもあるので、パソコンを広げるくらいは可能です。
もちろん、ネット環境や電源は期待できませんが、木や水といった自然を感じられる場所での作業はけっこう捗りますよ♪
何より、公園を利用するのにお金はかかりませんから、ちょっとした気分転換に利用するのがおすすめです。
海外

これまで挙げたものよりスケールが大きくなりますが、海外でもノマドワークはできます。
ネット環境とパソコンさえあれば、たいていのノマドワークはこなせるので、そもそも日本で作業する必要さえないのです。
旅行で海外に行った際にちょっとしたスキマ時間で作業するなど、思い切って海外移住をしてそこで仕事をすることもできます。
まさにノマド(遊牧民)らしい働き方ですね。
自宅
移動が多いノマドワーカーの作業場所といえば、ここまで紹介したように「オフィスや自宅以外の場所」をイメージする人が多いでしょう。
しかし、「あちこち移動しても定期的に自宅へ戻る」「自宅がメインの作業場で、他の場所はサブ的に利用する」というノマドワーカーも、一定数いるのです。
そういう人たちは
- 作業が一段落したらすぐに休める
- 移動する手間が省ける
- 追加料金がかからない
- 周囲の目を気にせず作業できる
などの理由から、自宅でノマドワークを行っています。
ノマドワーカーのメリット

具体的な作業場所や仕事を確認したところで、「ノマドワーク」という働き方には、どんなメリットがあるかを見ていきましょう。
働き方が自由である
ここまで何度も述べて来ましたが、ノマドワークは働く場所を自由に選べるのが最大のメリットです。
移動することで気分転換ができるし、移動の中で休憩を取ることもできます。
会社の中にずっと缶詰状態なのと比べると、身体的・精神的な自由度は高いでしょう。
家族と過ごせる時間が増える

ノマドに適した作業場所として「自宅」を挙げたように、働く場所が自由であるなら、自宅を仕事の本拠地としても良いのです。
自然と、家族と過ごす時間が増えて、コミュニケーションが増えるでしょう。
また、ノマドなら遠方に住む両親の近くに部屋を借りることもできます。
近くにいれば何か起こっても駆けつけやすいので、生活面での安心も高まるでしょう。
会社に出勤する必要がない
会社員のつらいことの上位に挙げられるのが「通勤」です。
満員電車に揺られたり、出勤時間に合わせて早起きしたりと、朝から疲れてしまう人も多いハズ。
しかし、自分の好きな場所に出勤できるノマドワークには、そのようなストレスはありません。
クライアントのもとへ出向く場合でも、交渉して自分の都合の良い時間や場所にしてもらうことは十分可能なので、会社への出勤より融通がききますね。
住む場所を自由に決められる

働く場所が自由ということは、住む場所も自由ということでもあります。
ノマドワークなら会社の場所を気にする必要がないので、「家賃が安い」「前から住んでみたいと思っていた」など自分基準で家を選べるのです。
家賃の安い場所に住めば家計に余裕が出ますし、憧れの場所に住めば仕事へのモチベーションも上がるでしょうから、家を自由に選べるのは大きなメリットと言えますね。
人間関係のストレスが減る
ノマドワークでは、相手との物理的距離が生じて関わりの密度が低くなるので、仮に苦手な相手だったとしても、対面時よりは付き合いやすくなります。
仕事で抱えるストレスの原因のトップは「人間関係」と言われていますが、ノマドをすることでストレスが解消され、仕事の精度や能率も上がっていくでしょう。
ノマドワーカーのデメリット

働く場所が自由などのメリットがあるノマドワークですが、デメリットもあります。
ノマドワーカーを目指す人は、この部分を許容できるか確認しておきましょう。
自己管理が必要になる
これまで何度も「ノマドは働く場所を自由に選べるのがイイ!」と述べてきましたが、自由には責任や自己管理がつきものです。
あまりにも頻繁に移動をくり返したり、移動する時間帯が不規則すぎたりすると、疲労がたまって体調を崩してしまうこともあります。
「仕事の納期を破る」「約束の時間に遅れる」などの不義理を重ねてしまうと、仕事に対する信頼を失ってしまうでしょう。
確かに、ノマドワークは働く場所が自由なのですが、ある程度は作業場をルーティン化しておくのがおすすめです。
コミュニケーションを取る機会が減る

ノマドワークの大半はオンラインで仕事が完結するので、会社にいる時と比べて人とコミュニケーションを取る機会がかなり減ります。
会社にいれば、ちょっとした雑談をしたり、相手の表情や雰囲気からいろいろ読み取ったりできますが、オンラインでそれを行うのはなかなか難しいです。
また、コミュニケーションの機会が減ることで孤独を感じる人も出てきます。
あいさつなど、ちょっとしたコミュニケーションをこまめに行うと良いでしょう。
会社で働けなくなる
自由に移動できるノマドワークに慣れてしまうと、会社に出勤して同じ場所でずっと働くことが苦痛になります。
会社でも、トイレに行ったりストレッチをしたりとある程度の気分転換はできるでしょうが、ノマドの移動の自由さには敵わないでしょう。
【会社員以外】収入が不安定である
上の図は、ランサーズが調査したフリーランスの実態です。
これを見ると
- 自由業系フリーワーカー…年収の約6割=157万円
- 自営業系独立オーナー…年収の約8割=356万円
というように、ノマドワーカーの「会社からの給料以外に受け取っている収入(フリー年収)」がかなり低いことがわかります。
実績を積んでスキルを高めればフリー年収も上がるのでしょうが、そこまで稼げるようになるまでは時間がかかるでしょう。
中には、収入の不安定さから精神的に追い詰められ、ノマドワークを諦める人もいます。
ノマドワーカーに必要なもの

それでは、実際にノマドワークを行う上で何が必要なのかを見ていきましょう。
インターネット環境
ノマドワークはオンラインが基本なので、Wi-Fiなどのインターネット環境が必須です。
連絡のやり取りだけでなく、仕事で必要な情報を集める際にも必要となります。
デバイス

Wi-Fiなどのネット環境とセットで、媒体となるデバイスも用意しましょう。
基本的には
- 持ち運びに便利なサイズのノートパソコン
- タブレット
- スマートフォン
のどれかになるでしょう。
自分の仕事内容にあわせて、複数のデバイスを使い分けることがおすすめです。
充電器・バッテリー
移動した先に必ず電源(コンセント)があるとは限りません。
充電器やバッテリーを用意しておくと、電源のない場所で長時間作業しても、「スマホの充電が切れた!」などと慌てることはなくなります。
バッグ

ノマドワーカーには移動がつきものですから、必要な荷物をコンパクトに収納できるバッグを持っておくと良いでしょう。
仕切りやポケットがあって中身を整理整頓しやすいもの、バッグ自体が軽くて移動の負担にならないものが理想的ですね。
スキル
オンラインで完結することの多いノマドワークをこなすためには、最低限のパソコン操作スキルが必要です。
さすがに、「メールの送受信ができない」「インターネット接続ができない」というレベルでは、ノマドワークは難しいでしょう。
また、ノマドワークではスキルや実績が重要視される場合が多いので、仕事に使えるスキルはできるだけたくさん持っておいた方が良いですね。
自己管理能力

デメリットの項目でも述べた通り、ノマドワークでは自己管理能力が必要です。
- クライアントと会う日時
- 受けた仕事の納期
- 日々の細かなタスク
- 本日の作業場所
など、毎日のように管理する内容はたくさんあります。
会社では周囲の人がある程度フォローしてくれるでしょうが、個人プレーの多いノマドワークでは自分自身で管理しなくてはなりません。
コミュニケーション能力
オンラインでのやり取りが多くなるノマドワークでは、どうしてもコミュニケーションが不足しがちです。
そのため、自分から積極的にコミュニケーションを取ろうとする姿勢が重要になります。
コミュニケーション不足によるトラブルを防ぐためにも、オンライン中心であってもこまめな報連相は欠かさず行いましょう。
自己アピール能力

オンライン中心のノマドワークでは、会社にいる時のように、誰かが側にいるわけではありません。
つまり、「自分がどこで何をしているのか、他の人には伝わらない」ということです。
そのため、SNSやメッセージなどを通して「自分がどんな仕事をしたか」「どんな成果を出したか」などを積極的に発信していくようにしましょう。
ノマドワーカーになる方法

ノマドに適した仕事や、ノマドワークのメリット・デメリットを確認したうえで、「やっぱりノマドワーカーになりたい!」と思った人は、次の段階へと進みましょう。
ここでは、ノマドワーカーになる方法を2つご紹介します。
ノマドに適した仕事に就く
手っ取り早くノマドワーカーになるには、この記事でも紹介した「ノマドに適した仕事」を始めてしまいましょう。
これまで文章に携わってきたならWebライター、語学に強いなら翻訳者、営業部にいるならノマドで営業をやってみる、といった具合です。
とはいえ、デメリットでも挙げたように、最初からまとまったお金を稼ぐのは難しいので、会社員の仕事も続けながら、副業としてノマドワークにチャレンジしてみましょう。
しばらく副業で続けてみて「稼げそう」「続けられそう」と判断したら、ノマドワーク一本に切り替えるのがおすすめです。
ノマドワークを導入している企業に就職する
そもそも「働く場所が自由」であるのがノマドの働き方なので、リモートワークを推奨している企業に就職すれば、それだけでノマドワーカーになれてしまいます。
ベンチャー企業やIT企業で見かけることが多いので、その方面で求人を探してみるのも良いでしょう。
まとめ

ノマドに適した仕事や働く場所、ノマドワーカーに必要なものなどを解説してきました。
出社義務がなく、自分の好きな場所で働けるノマドワークですが、性格的に向く人・向かない人がいます。
自分の職種や性格がノマドに合うかを確認してから、挑戦するようにしましょう。
