フリーランスの基礎知識

フリーランスと個人事業主の違いは開業届の有無!メリット・デメリットを理解して手続きしよう

「会社に属さず自由に働きたい」とフリーランスになったけれど、実は個人事業主との違いがわかっていない人は多いのではないでしょうか?

フリーランスと個人事業主の違いを理解した上で、自分はどちらの立場になればいいのか判断しましょう。

この記事では、フリーランスと個人事業主の違いや、個人事業主のメリット・デメリットなどを解説していきます。

個人事業主とフリーランスの違いとは?

個人事業主とフリーランスの違いは、「開業届を出したか、そうでないか」です。

どちらも「会社などと雇用関係を持たず、個人で仕事を請け負う」という点では共通しています。ただ、開業届を出した人は個人事業主、出さない人はフリーランスという扱いになるのです。

本来、開業届は個人事業をスタートさせてから1ヶ月以内に出すことが義務付けられています。しかし、開業届の未提出に対する罰則はないため、開業届を出さずに活動しているフリーランスはたくさんいます。

個人事業主のメリット5つ

ここでは、開業届を出して個人事業主になると得られる、主なメリットを見ていきます。

青色申告ができる

税務署に開業届を出すと、「青色申告承認申請書」という書類を出して青色申告を利用できるようになります。

青色申告とは、確定申告における申告方法の1つです。事業の収支を細かく申告する代わりに、さまざまな所得控除を受けられます。

青色申告の節税効果は抜群なので、お小遣い稼ぎでなくしっかり稼ぐつもりのある人は、青色申告を利用するのがおすすめです。

2つの書類に書く内容はほぼ同じなので、開業届を出す際に青色申告承認申請書も一緒に出しておきましょう。

家族への給与を経費にできる

確定申告で青色申告が使えるようになると、家族へ支払った給与を経費扱いにできるようになります。

基本的には、家族への給与は家族間でお金がまわっているだけなので、経費として扱われません。しかし、青色申告をする人の場合は、特典として経費扱いが認められているのです。

家族への給与を経費として計上できれば、その分だけ所得が減ったことになり、支払う税金を抑えられます。家族で切り盛りしているお店にとって、とても嬉しいメリットですね。

赤字を3年間繰越できる

開業届を出して青色申告をすると、事業で出た赤字を3年間繰越できます。

例えば、開業初年度が50万円の赤字で、次年度が60万円の黒字だったとします。この場合、青色申告であれば赤字分がまるまる控除されるので、2年目は60万円にかかる税金ではなく

60-50=10万円

にかかる税金だけ支払えばよいことになるのです。

初年度から黒字発進できるとは限らないので、赤字を有効活用できるこの制度は見逃せません。

屋号で銀行口座を作れる

開業届を出すと、屋号で銀行口座を作れるようになります。(開業届に屋号を記入する欄があります)

屋号とは仕事で使う名称で、お店の名前のようなものです。

個人名でも屋号でも大した違いはないと感じるかもしれませんが、事業専用の口座があると

  • 仕事とプライベートで口座を分けられ、管理や確定申告が楽になる
  • クライアントからの信頼性が増す

といったメリットがあります。

特に、クライアントから「屋号をもっているということは、真剣に事業を行っているんだな」と思ってもらえるでしょう。ビジネスをするうえでは、大きな信頼につながりますよ。

小規模企業共済に加入できる

開業届を出すことで、「小規模企業共済」という積み立て制度を利用できるようになります。

会社に属さず個人で事業を行う人には、失業保険や退職金が存在しません。しかし、小規模企業共済でお金を積み立てていれば、働けなくなったり廃業したりしても、ある程度の生活資金は確保できます。

また、小規模企業共済として支払った掛け金の全額が所得控除になるので、節税もできて一石二鳥です。

小規模企業共済に加入するには開業届の控えが必要なので、開業届を出す際に必ず控えをもらっておきましょう。

個人事業主のデメリット2つ

主にお金の面でメリットの多い個人事業主ですが、デメリットもあります。

個人事業主になろうとしている人は、デメリットもきちんと理解しておきましょう。

帳簿をつけなければならない

開業届を出して青色申告が利用できるようになった以上、事業の収支をきちんと帳簿につける必要がでてきます。

そうでなければ、確定申告を正確にできず、せっかくの青色申告の特典が有効活用できません。

とはいえ、実際にやってみればわかりますが、帳簿をつけるのは地味に面倒くさいです。家計簿アプリや会計ソフトを使えば多少は楽になりますが、嫌になってしまう人もいるでしょう。

そのため、お金の自己管理が苦手な人は、個人事業主としてやっていくのは大変かもしれません。

開業届を出したとしても法人よりは信用が低い

会社(法人)に属している人より、個人で事業をしている人の方が、どうしても社会的な信用度は低いです。それは、開業届を出したとしてもほとんど変わりません。

  • 物件を借りる
  • クレジットカードを作る
  • 銀行から融資を受ける
  • 人材を採用する

などの面で苦労する個人事業主はたくさんいます。

クライアントの中にも、「個人でやってる人より、会社(法人)に頼んだ方が安心だ」と考える人はまだ多く、信用度の差は仕事をとる際に不利になることもあるでしょう。

開業届の出し方

開業届の提出方法は直接税務署に出すか、郵送するかの2パターンがあります。

「税務署に行くのが面倒」「郵送費用をかけたくない」など、人によって重視する点が違うでしょうから、自分がやりやすい方法で行ってくださいね。

開業届の出し方は、以下の3ステップで完了します。

  1. 税務署か国税庁のHPで開業届を入手する
  2. 必要事項を記入する
  3. 税務署に直接提出するか、郵送する

開業届に記入する内容には、以下のようなものがあります。

  • 開業日
  • 屋号(あれば)
  • 氏名
  • 自宅または事業所の住所
  • マイナンバー
  • 事業内容

不明な点は税務署の人がいろいろ教えてくれるので、書き方が不安な人は直接税務署に行ってみてください。

また、開業届は事業に関係するさまざまな場面で必要になるので、自分用の控えをもらっておくのがおすすめです。

郵送で出す場合は開業届を2枚記入し、返信用封筒を同封しておきましょう。内容に不備がなければ、「控」のハンコが押された開業届が1枚返送されてきます。

まとめ

開業届という1枚の書類を出したか否かは、さまざまな面で影響をもたらします。

特に金銭面でのメリットが大きいので、「個人としてしっかり稼ぎたい」という人は、開業届を出して個人事業主になった方がお得でしょう。

開業届の出し方はそれほど難しくありませんし、いざとなれば税務署の人が丁寧に教えてくれるので、現在フリーランスの方は開業届の提出を検討してみてくださいね。

ABOUT ME
マッスー
マッスー
元気な引きこもりWebライター兼Web編集者。出版社に約10年勤めたものの、会社の環境が合わなくなり、ストレスで体を壊して退社。ただまぁ、せっかく身につけたスキルは活かしたいよなぁということで、フリーランスとして記事を書いたり校正したりと、なんやかんやで文章に関わる仕事をしてます!パソコンをカタカタしながら、お気に入りの音楽を聞き、お気に入りのコンビニスイーツ&フルーツを食べるのが至福のとき。